これまでに経験してきた職務を類似の分野ごとにまとめて書く方法もあり、「キャリア式」と呼ばれています。異動や転職回数が多く、営業分野と人事分野など、複数の分野で経験を積んできた人や、専門性を強調したい人に向いた書き方だと言えます。

では、これまでに経験してきたどの分野を最初に書けばいいのでしょうか。

それはもちろん、求人を出している企業が求めているものに対して、求職者が応えられる分野の職務です。経理担当者を求めているのなら、経理分野の職務経歴を一番目に書きます。

異業界、異職種への転職で、ポータブルスキルを強調したいケースなら、そのポータブルスキルを取得し、活用して実績を出した分野の職務経歴を最初に書くのです。

最も強調したい分野の職務経歴を一番目に書き、それに関係する、それを補足する分野の職務経歴を次に書きます。残りは、簡潔に書いておけばよく、キャリア式でもすべての職務経歴を書く必要はありません。

職務経歴書を書く際の大原則は、いかに不要な情報を捨てるか、必要な情報だけに絞れるか、です。

もし、企業の求人ニーズがよく分からず、自分の強調すべき職務経歴が選べない場合でも、自分のキャリアを俯瞰して大枠をとらえ、説明しやすいかたちでまとめて書きます。

たとえば、

  • 職務を大きく3つの分野に分けて書き、それ以外は省く
  • 最も長く経験した職務経歴を最初に詳しく書き、それ以外は3つに分けて簡略に記す
  • A分野→B分野→C分野という職務の流れで自分が成長してきたことを伝える

といった具合です。

なお、転職回数が多いことは、多くの企業ではネガティブな評価になりますが、キャリア式で職務経歴書を書くと、それが目立ちにくくなるというメリットもあります。

経験の組み合わせで「強み」を生み出す

職務経歴書を書く際に心掛けるべきなのは、メリハリをつけること。メインとサブなど、何が主で、何が従なのかがはっきりと分かるように書きます。

最初の10年間営業を経験し、3年間経理で、5年間人事というキャリアの人が、それをそのまま書くと、「営業も経理も人事もできます」と言っているように受け取られてしまいます。

企業が知りたいのは、「この人は何屋さんなのか」「私たちの会社で何ができるのか」です。

ところが、求職者の中には、「営業も経理も人事も経験しましたので何でもできます」という売り文句でリスクヘッジをしようとする人がいます。しかしこれは40代以降の転職では逆効果。何でもできますと言う人ほど、何もできないというのが、多くの採用担当者の失敗体験であり認識なのです。

また、「何でもおっしゃっていただければやります」というのは受け身の姿勢のため、「指示をしないと何もやらないのか」とマイナスの評価になります。

これに対して、「私の強みはこれで、こうしたことができます」や「私は御社でこうしたことをやって貢献したいと思います」というのは能動的な姿勢ですから、プラスに評価されるのです。

先ほどの最初の10年間営業を経験し、3年間経理で、5年間人事というキャリアの人が、営業職へ転職したいなら、10年間の営業の経歴について1枚半にわたって詳しく書き、経理と人事については残りで簡略に記すと、「この人は営業がやりたいのだな」と伝わります。

人事職へ転職したいなら、人事での5年間の経歴を最初から1枚半を使って詳しく書きます。そして、面接では、「営業を長く経験し、経理も担当したからこそ、人事の仕事しかしていない人とは違った役割を人事という職場で担えます」と強調すれば、自分のキャリアを人事担当者として無駄なく活かせることを伝えられます。

「営業を担当したからこそ、営業をサポートする経理担当者になれる」など、自分のキャリアをうまく組み合わせて自分の強みにするのも非常に良い方法です。


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