「明確で具体的な目標に向かって、迷うことなくキャリアを積み重ねられたらいいのに」と思うことはないでしょうか。かくいうパラフト編集部のメンバーも、まっすぐにキャリアを積んできた者はほとんどおらず、ともすれば、「どんな方向に進めばいいか」の答えを教えてほしいと思ってしまいます。今回は、ミドル層の転職を支援する、ルーセントドアーズ代表の黒田さんに、自分の使命を書き出してみる方法を教えていただきました。試してみれば、あなたもキャリアの道筋が見えるようになるはず。

「私は何を目指すべきでしょうか?」

転職のサポートのキャリア面談をしていると、10人に1人くらいの割合で必ず聞かれる質問があります。自分はこれまでこういう学歴で、こんな仕事をしてきたという説明の後で、

「ところで、こんな経歴を持つ私は、どんな方向でキャリアを考えていけばいいでしょうか?」

と聞かれるケースです。年齢的に傾向があるのかというとそうでもなく、20代の若い世代だけではなく、30代や40代であっても同じように質問される方は一定数います。
「こんな方向に進みたいが、どうすればいいか?」というHowではなく、「自分はどんな方向に進むべきか?」というWhatを問われるわけです。

転職というイベントは非日常なものなので、確かに就活以来、キャリアのことを真剣に考える機会が少ないのは事実だと思います。どう考えればいいか、という手順やノウハウがなく、キャリアを考えることそのものがむつかしいという気持ちもわかります。
自分のキャリアの方向性として、どんな方向が合っているのかが見えづらく、プロに聞いてみたくなる心理もわからないではありません。

しかし、どんなプロであっても、その方自身の進むべき方向性までは踏み込んでアドバイスするのはきわめてむつかしいだろうと思います。少し大げさな表現をすると、その人自身が「何のために生きているのか?」ということに答えるのときわめて近しいからです。
「自分が何のために生きているのか?」という問いへの答えは、どれだけググっても、決して見つけることができません。自分の人生を有意義なものとするためにも、必ず自分自身で考え抜かなければならないテーマです。

「自分の使命」を書き出してみる重要性

自分の進むべき方向性がイメージできない、という悩みを持つ方には、できるだけ遠い未来に「こんな風になっていたらいいな」という自分像を想像してみることをお勧めしています。
それも想像できないという場合には、

  • 自分が得意だと思っていること
  • 強みだと自覚していること
  • 過去に先生や上司や友人に褒められたこと
  • 自分がやってみて達成感を味わったこと

などを思い出していただき、その自覚や体験からヒントを探してみるのも有効かもしれません。そこから得た未来の自分像を、自分なりの人生の目的=使命と仮置きし、紙に書きだしてみてもらっています。
自分はいつかどうなりたいのか、何を成し遂げたいのか、自分の行動の基準となる価値観はどういうものなのかを確認して、長期的な目標を自分なりの言葉で書きだす作業です。
白い紙に何度でも書き直すつもりで、あれこれまずは自由に思いつくままに書いてみてください。違和感があれば書き直し、書き直したら音読してさらにチェックするというやり方で30分も続けると、案外形が見えてくるものです。
文字として書き起こされたその紙こそが、自分の中の最重要指針です。悩んだらいつもそこに立ち返って確認できるだけで、心理的に非常に安定するはずです。書くという行為を通じて、手を動かして回答を作りだすということが重要なケアにもなりえます。

明確な目的は、あなたの市場価値を高める

それでも、なかなか自分の使命を整理ができないという方は、

「自分はどのような人間でありたいか」
「自分は何を成し遂げたいのか」
「自分が手に入れたいものは何か」

という3つの観点をクリアにしてください。

さらに
「自分が仕事において最も充実感を覚えるのはどんな瞬間か」
「自分が磨いていきたい能力はどんなものか」
「自分が世の中に対して貢献できることは何だろうか」

という問いも有効です。

これらの問いがクリアになるだけで「自分はいつまでに、○○のスペシャリストを目指したい」と目的が明確になる可能性が高まります。働く目的が明確になると、余分な不安にさいなまれなくなったり、誰かと比較して不幸や不満を感じることも減少するので、業務の生産性と同じように精神衛生上もきわめてよい作用を及ぼします。

「自分は何者か」「何者になりたいか」を明確に説明できるだけで、たとえば人材市場で、企業から見たあなたは、格段に魅力的に映るはずです。
また、「なりたい自分像」が明確になることで、選択と集中が自然になされ、学習や経験集積が効率的になるというメリットもあるはずです。


※この記事は求人メディア「パラフト」に掲載されました。CR40を運営するルーセントドアーズ株式会社代表の黒田真行が執筆しています。

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