私がよく言うのは、「墓標に何と刻みたいのか」を考えてくださいということです。

「年収1000万円の男ここに眠る」と墓標に刻みたいのであれば、年収にこだわればいいと思いますが、多くの人はそうではないはずです。

リクルート時代、「社長賞が目標」と言うメンバーには、「社長賞5回もらった女ここに眠る」と墓標に刻まれたいのかと嫌味を言いました。

「営業達成率105%が目標とか、そんな会社の上司から与えられたしょぼい目標を自分の目標にして、それを達成したところで本当に満足できるのか。そんな目標、己の才能に対して失礼なんじゃないか」

そんなことをよく言いました。自分の目標は、自分が決めるものであり、自分がもっている能力をいかんなく発揮してこそ真の満足が得られると思うからです。

自分がもっている潜在的な可能性をどこまで掘り起こすかは、その人次第であり、その人自身の責任でもあります。しかし、そうきれいに言ったのでは伝わらないから、「上司に反対されて本当にやりたいことをやらなかった男ここに眠る」などと、あえて嫌味を言ったのです。

人は誰でも、本気になればたいがいのことはできるようになるものです。そうした潜在的な能力を眠らせたままの人が多すぎる。そう私は思っています。

もっと世の中に役立つことができる、より多くの人に喜んでもらえる人がいっぱいいるし、そうしたことをやることで自分の足跡を残せるし、死ぬときに「いい人生だった」と言えるのではないでしょうか。

自分のもっているポテンシャルを引き出し、その能力をフルに発揮するのは、一人ひとりの責任です。その責任を果たさないのは、自分がもっている能力を発揮しないのは、自分の才能に対して失礼なことであり、あなたがあなたに失礼なことをしているのだということをもっと自覚すべきでしょう。

日本のビジネスパーソンは「野生に戻れ」

ミドルの転職では、転職先を選ぶ際にも、年収や役職、会社名などで選ぶのではなく、自分は残りの人生で何をやりたいのか、何をやることで社会に貢献したいのか、何を成し遂げた人と墓標に刻まれたいのか、こうしたことを考えて、その理想や希望から逆算して今できることをやるための転職先を選んでほしいと思います。

古い価値観や周りの意見に振り回されたあげく、人生の最終盤に、「あのときの転職が失敗だった」と後悔してほしくはないのです。

そのためには、人生の折り返し地点にいる現在、自分をきちんと客観的に見つめ直し、捨て去るべき価値観は捨て、何を大事にするのか、新しい価値観を自らつくり出すことが大切になります。

そして、満足度の高い人生にするためには、野生に戻ることも大事になります。きれいごとだけでは、飯は食えません。自分は何で飯を食っていくのか、どんな仕事でお金を稼ぎだすのか、こうしたリアルな視点も忘れてはならないでしょう。


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