退職者本人も気づいていない退職理由

意外に思われるかもしれませんが、退職する本人が明確に退職理由を把握しないまま会社を辞めてしまうという現象も多々あります。

実際には、「この会社にいてもキャリアアップが望めない」とか、「仕事内容が自分に合っていない」などと表向きは言葉にしていても、内実は、退職する理由を明確に特定できていないというケースです。

会社を辞める、というきわめて重要な意思決定なのに、なぜこういうことが発生してしまうのでしょうか?

なぜ人は会社を辞めるのか?退職理由は大きく2つ

「条件不一致」か?「働きがい不一致」か?

入社試験、面接、あるいは内定受諾の瞬間に、「がんばります」「期待しているよ」と、熱く言葉を交わし合った人と企業の関係が、なぜ解消することになってしまうのか?

もっと言えば、なぜ従業員の熱が冷めてしまい、退職することになってしまうのか?

転職支援アドバイザーとして、多数の方の転職相談をさせていただく中で、実に多種多様な退職理由をお聞きしてきました。

退職者が続出する組織パターン

「社長、うちの会社は何を目指しているのでしょうか?」

ITエンジニアの受託開発や派遣事業で急成長してきた会社を経営するAさん(42歳)。

27歳で大手システム開発会社を退職、一念発起して会社を起業し、マンションの一室からスタートした。それから15年、リーマンショックも乗り越えて、企業規模も150名、売上・利益も上場を目指せるくらいのレベルに育て上げてきました。

「カルチャーフィット」を意識する

事前に環境、ミッションと権限、達成基準と評価基準などを確認していても、入社後、本当にその通りになるとは限りません。

よくあるのが、実際に働き始めたら、社長が面接時に言っていたことと現実が著しく違うというパターンです。社長は好きなことを言いますが、現場はそれらをすべて知っているわけではないですし、社長が言ったとおりにすると仕事が回らなくなることもあります。ですから、与えられると言われた権限が実際には与えられないということもあります。

「優秀人材」に選ばれない会社に明日はない

「雇用する」から「選ばれる」へ―。国内最大級の転職サイト「リクナビNEXT」元編集長で数多くの企業の“HRの現場”に詳しいルーセントドアーズ代表の黒田氏は「優秀な人材に選ばれない会社は、数年内に過酷な運命にさらされるでしょう」と指摘します。どんな経営者も「優秀な人材」を採用したいと思っています。しかし、少子高齢化×働き方改革は、口先の願望どまりで本気で変わろうとしない会社に「退場」を促す。そんなちょっと怖い予測も黒田さんはしています。この連載は、よくありがちな「優秀人材を集めるノウハウ」ではありません。企業経営にとって、すぐそこにある危機を打開するための、ホントの知恵と未来への提言です。

「優秀な人材が辞めない会社」は何が違うのか?

採用する→辞める→採用する→辞める→(以下、無限ループ)。
「いつまでこんなことを繰り返すのか」と、ため息をつく中小・ベンチャー企業の経営者は少なくない。採用難の状況が続く中、この悪循環を脱するために、人事評価制度の改革や福利厚生の充実、事業理念の再構築などに乗り出す企業も急激に増加している。「だが、その打ち手は本当に的を射ているのか?」。そう語るのは、国内最大級の転職サイト『リクナビNEXT』の編集長を経て、企業の次世代リーダー採用を支援するルーセントドアーズ代表の黒田氏だ。「優秀人材が離職する真因に対応していなければ、手間やコストが無駄になることもあります」。“採用→退社”の無限ループからの脱出法を同氏に聞いた。